インタビューにこたえてくださったのは・・・
淑徳高等学校
教頭 兼 アドミッションオフィス室長
湊 広賢 先生
西川:留学コースとは、どんなコースなのですか?
1年間の海外留学と難関大学合格を両立する
20年の実績を持つ淑徳独自のスペシャルコースです。
湊先生:当校の留学コースでは、1クラス45名全員が高校1年生の夏からたっぷりと1年間、海外の私立名門校に留学します。留学先は好みの国や予算などに合わせて、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4カ国20校から選択が可能です。しかも高校は3年間で卒業できるようにカリキュラムが組まれており、20年の実績を誇るトータルサポートシステムにより、大学への現役合格を強力にバックアップしています。
西川:20年も前ですか、まだ留学が一般的でない時代ですよね。どのような経緯で、留学コースが生まれたのですか?
「進みゆく世におくれるな、有為な人間になれ」
という教えによって生まれた伝統の国際交流です。
湊先生:淑徳高校の国際化は歴史が古く、すでに30年以上前にアメリカとの交換留学が始められていました。これは学校創立者の「進みゆく世におくれるな、有為な人間になれ」という言葉通り、これから社会全体が国際化していく中でいち早くその体制を築いていったためです。その後アメリカ、イギリス、オーストラリアにおいてサマーキャンプが開かれ、校内外から評判の高いプログラムとして知られるようになりました。そこで「1年間留学する制度を整えて欲しい」という要請が後を絶たず、結果クラス全員が1年間留学するというコースが生まれ、今年で早20周年を迎えています。
西川:20周年、おめでとうございます。
淑徳高校の留学コースの特徴をくわしくおしえてください。
現地駐在の職員などによる万全のサポートにより
充実した1年間の留学生活が実現可能なのです。
湊先生:生徒たちは留学コースに入学後、まずはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4カ国についてのレクチャーを受けることから始まります。そこで同じ英語圏ながらもそれぞれ異なる国の特徴をとらえ、自分の趣味趣向に合っている国を選択。さらにその先は一人で未知の世界に飛び込んでみたい人や不安だから友達と一緒に留学したい人など細かい希望に分かれて、実際にどの学校に通うのかを決定します。
アメリカとイギリスには淑徳の職員が滞在しており、カナダやオーストラリアには専任のアドバイザーがいるという特徴がありますが、いずれにしても現地の留学サポート体制は万全です。しかし渡航後の3カ月間は、学校はおろか現地での生活になれずに誰もが辛い思いをしています。なんせ言葉の壁は厚く最初は授業で宿題を出されたことにも気づかないほど英語が理解できないのです。
もちろん渡航前にはあらかじめ準備をする期間があり、また渡航後に行なわれる始業式前のサマースクールでは切符の買い方や買い物の仕方など、現地の実生活に根ざした口頭表現を練習していきます。留学中生徒の中にはホームシックになり、途中で投げ出そうかと思う子もいますが、現地在住のスタッフがしっかりとケアしていますので、悩み事や相談など親身になって考えてくれ、問題を解決してくれます。
24時間英語漬けの現地でしっかりと3カ月間勉強をすれば、次第に英語を話し聞くことに慣れていき、クラスの中で自分の意見を発言できるようにまでなっていきます。さらに現地の同級生にも友人ができ、学園生活はどんどん楽しくなっていきます。帰国する頃には英語で夢を見るなんてことあるようです。
帰国してからは留年なしの3年間で高校を卒業すると同時に、難関大学への入学試験をクリアするという目標から、通常よりも一生懸命勉強はしなくてはなりません。クラス全員が同時に渡航し、帰国も同じ時期であるからこそ特別カリキュラムを組むことができるため、たとえ1年間海外留学をしていても勉強は充分に挽回できるのです。
またさらに同じ留学を経験した仲間で帰国後も頑張っていこうという生徒の意思によって、困難を乗り越えていくことができます。英語力が格段に伸びるわけですから、AO入試制度を利用して大学入学を果す生徒は多く、理系や海外の大学を目指す生徒も少なくありません。
西川:高校時代に留学することの、一番のメリットは何だと思いますか?
海外留学をするということは英語力を身に付けると同時に
人間力を身に付けることができるというのが真の意味
湊先生:留学コースについては、当初中学生から制度の導入を検討しましたが、中学生ではあまりにも身の回りのことが自分でできない生徒が多すぎて断念いたしました。海外の学生たちは「自分のことは自分でやる」という教育を幼い頃から受けているので、食事の準備や洗濯、掃除などすべて生活の基本となることは自分でできるのです。これが日本の生徒だと普段からあまりにも親に頼りきっていて、ホームステイ先などでは戸惑ってしまうことから、ある程度大人になった高校生からスタートすることにしたのです。
しかし実際に留学した生徒達は、帰国後はすべて自分のことは自分でできるようになる上、今まで当たり前のように感じていた親の存在に感謝するようになります。また留学先では学校にしろ、ホームステイ先にしろ「あなたはどう思うの?」という意見が求められることが多く、渡航前まではクラスで一言も発言しないような生徒が、帰国後は何でも積極的に質問してくるし、自分の意見も活発に発言するようになってきます。
つまり高校生という若い感性を持った中で海外生活をするということは、語学力の向上はもちろん、滞在した国の異文化や習慣などを肌で感じることができる絶好の機会でもあるのです。そのことによって人間力が身に付き、真の国際人が生まれることと信じています。当校の生活指導においても「他人に迷惑をかけない」というルールを設けていますが、留学を経験した生徒達はこのことを本当に理解できるようになります。
留学コースに入学する際には多少の英語力は必要とされていますが、留学生活を含め最終的にこのコースで成功を収める生徒には「意欲」があります。何事においてもそうですが、自分の意志が強ければ例え外国に行って言葉も通じない中で生活をしようとも、挫けることなく成長することができます。また帰国後、受験勉強などにおいて頑張りが効くのだと思いますよ。

西川編集長
クラス全員が留学、といっても、行き先は4カ国20校から選べるので日本人のあまりいない環境がいい、という生徒さんのニーズにも応えられるのが魅力ですね。帰国後に、クラスメイト同士で、世界中の高校の自慢話や土産話ができるなんて、とても楽しそうです。
